D 元ガイドへの糸絡み
元ガイドへの糸絡みには2つのパターンが有り、先ずナイロン力糸を使用した場合に
よく起こるパターンであるが、投げ竿をフルスゥイングするとナイロン力糸は遠心力
によってゴムのように引き伸ばされる。伸びきった力糸はリリースした瞬間に急激に
元の長さに戻ろうとして縮む。その作用はスプールからラインを高速で引き出す力
となって、オモリが飛び出すスピードよりラインの放出スピードのほうが速くなる現象
が起こる。その結果オモリが引き出す量より余分のラインがスプールから出てしまい
たるんだラインはループ状となり元ガイドの穂先側や竿の裏側まで回りこみ、まるで
結んだように巻きついて、ライン切れが起こる。よく、投げた瞬間に「パチーン」と切れる
のがこの状態です。
次にPEを使用した場合のパターンですが、PEはしなやかなのでスプールから放出
されても殆ど膨らまず、スプールの前方にあるラインを押し出す力が働く。
ラインが一定以上のテンションでスプールに巻いてあればトラブルは起こりにくいが
少しでも巻きムラやテンションが緩んで巻いてあったり、新品のPEで表面の色落ち防止
コーティングがベタついている場合は、押され続ける力に耐え切れず「ガバッ」と束になって
放出されてしまう。 この塊が元ガイドに激突した瞬間に切れたり、絡みついて竿に
糸との摩擦によるスジが付いたりする。
特に竿が捻れて振られた場合や浅溝スプールのエッジギリギリに糸を巻いた場合に
よく発生しますので注意が必要です。