ハイエースの投げ釣り専用車改造記

ベッド兼荷物棚設置の巻

さてっAVシステムのインストールが一段落し、次はいよいよ後部荷室にベッドを設置して車中泊が出来、

且つなるべく荷室のデッドスペースを無くそうと今回の改造で一番奮闘した?お話です。

ハイエースを購入した人の多くが「ハイエースベッドキット」を購入し、ミニキャンパー仕様として使っておられるようで、

ベッドの下には荷物も収納出来ますし、ベッドマットの上は邪魔なタイヤハウスが出っ張らない広大な荷室としても使える便利なアイテムで

ネットで検索すると、数多くのベンダーがハイエース用ベッドをリリースしており、その人気が伺えます。

ボルトオンなので積載したままで車検の時には「荷物」として扱われ、難なく審査にも通るらしく、余計に人気があるようです。

しかし・・その殆どは価格が5〜10万円もしますし、下の写真のように一旦取り付けたらベッドマットの取り外しと、外したマットの

収納に困るようなものばかりで、当初はベッドキットを購入してボルトオンで簡単に設置を済ませようと思っていたのに踏み止まりました。

「何とか簡単に収納出来て、床下に積載した荷物を簡単に取り出せるようにしたい・・」

「使わない時は邪魔にならないように簡単に収納してハイエース本来の荷室の広さを最大限に活用出来るようにしたい・・」と

言う思いで更にいろいろとネットを検索しましたが、唯一折り畳みタイプのものが有ったものの、その価格や12万円也〜っ。(ToT)/~~~

って事で結局自作する事にし、価格も材料費をなるべく抑えて2万円程度で作ろうと目標を立てました。

いろいろと思案して悪い頭をフル回転。(^.^) ある程度の設計が出来たらいよいよ材料の購入です。

先ずはベッドを支えるフレームを作らなくてはなりません。

ハイエースの後部荷室の床には「ダイタウンフック」と言う金属の輪がボルトで取り付けてあり、それにロープを結んで

積載した荷物やバイク、自転車などが倒れないようにする装備が付いていますが、その輪を固定するボルトを利用して

ベッドの足を固定するのがいわゆる「ボルトオン装着仕様」で殆どのベンターのベッドキットがそうなっていました。

ベッドを支える金属製のフレームだけでもベッドキットベンダーから購入出来るようですが、それだけでも2万円程度。

まぁ・・特殊なものですから仕方が無いですが、これだけでも完全に予算オーバー・・。「何か無いかなぁ・・」とホームセンターに走ると・・。

有りましたぁ!(^^)! 

この金具は写真のように家の床や天井に入る梁を支える金具でいわゆる建材です。

金具の下側には10センチ四方程度の鉄板が付いていて、穴が空けてあり、ボルトで基礎に固定し、

上部の折れ曲がった金具の上に梁を乗せて下から押し上げ、重い梁を支えてから木ネジを使って固定するようになっています。

足の長さは中央の太い部分を回転すると20センチ程度の長さ調節が可能で良さげです。

私は溶接なども出来るのですが、あまり得意ではありませんし、フレームは軽い木材で作ろうと思っていたのでこれは大助かり。

早速長さが35センチから48センチまで調節出来るものを選んで4本購入しましたが、大工さんが使う金具などは意外な程安価で

1本300円程度で購入出来ました。

早速車の床マットをめくると普段はマットの下に隠してあるダイタウンフックが出て来て、それを固定しているボルトを緩めます。


フックの輪を取り外してこの金具を元のボルトで固定して足は簡単に車体に固定出来ました。

ボルト1本のみでの固定なのでこれでは一寸グラグラして不安ですが、2本の足どうしをフレームにする梁で繋ぐと意外としっかりとして

良い感じ。梁はツーバイフォー建築で使われる長さ183センチ、高さ9.5センチ、厚み2.5センチの木材で

これは何処のホームセンターでも売っており、とても安価で1本350円で2本購入しました。材質は北米針葉樹で硬くて良く粘り、

強度も十分。これを長さ173センチにカットして上記金具に長い木ネジで固定します。



左右に梁が取り付き、この梁でベッドを支える設計ですが、ご覧のように荷室右側にはリアヒーターの出っ張りが有るので

それと干渉するギリギリの位置に固定してやり、ヒーター部の内張りとの間にはゴムのクッションマットを挟んで内張りがキズ付いたり

走行中の振動でガタが出ないようにしました。


フレームが出来たら次はマットの製作ですが、先ずマットを支えるベッド板を2枚購入して来ました。


いわゆる3尺×6尺のザブロクサイズで180センチ×90センチの板を2枚購入し、これをカットして使います。

材質は北米産針葉樹合板で、これは軽いラワン材よりも少し高価で硬くて一寸重いですが、木目が美しくてとても

硬い木目が間隔狭く詰まった木材で加工性はいまいちですが、床材に使うとたわみ強度が高く、粘りが有り、

今回はこれを採用。厚みは9.5ミリで1枚1600円でした。

軽いラワン材を使っても良いのですが、木目が無い為にたわみには弱くて

後で板の下に重量を支える補強材を何本も入れる事になると

結局下部荷室を圧迫しますし、コスト高になるのでこの板を使って正解でしたっ・・

と言うより、当初セールス品のラワン材を買いに行ったらすでに売り切れており、

仕方なくこれを購入するハメになっただけなのですが・・災い転じて・・ですなっ。

その板を電動丸ノコを使って切断。幅65センチ、長さ175センチに切り出します。その板を一旦フレームに装着して寸法を検討。

フレームの上に仮に乗せて左右の壁面に跳ね上げて収納すると端がバックドアに当たってしまう事が判り、

その部分を当たらないように寸法を測り直し、当たる部分を斜めにカットしました。

カット&トライ!ですなっ、と言うより、いわゆる現物あわせのやっつけ仕事ですが、初めての製作ですので

こんなものですわぁ・・。

でっいよいよマットの製作。マットの表布は何にするかかなり迷いましたが、「砂まみれのクーラーをこの上に置くだろうし、

水をこぼす事も多々かと・・・」と掃除がしやすくて水にも強く、さっと拭くだけで綺麗になるビニールレザーを採用する事にしました。

知り合いのテント屋さんに立ち寄ったら、幸いにも長椅子のマット補修用にビニールレザーも在庫しており、使い端が2メートルばかり

残っていたので長さ、幅共に2メートルにカットしてもらい、3000円で分けてもらって持ち帰りました。

それを真っ二つに裁断して先ほどの床材の形に合わせて更におおまかに切ります。

次はマット内部のスポンジの手配。これも何を使うか迷いましたが、綿ではマット内部に綺麗に収めるのが大変ですし、

ウレタンかスポンジ板を切断して使う事にしました。 

しかし・・意外にマット用のスポンジは高くてネットで検索してもスポンジだけでセミダブルサイズは4000円程度します。

悩んでいたら横で見ていた娘が・・「私が以前に使っていたマットレス・・小さい時にオネショして染みが有るので今は使っていない

のであれの中のスポンジ使ったら・・。と大ヒントをくれましたぁ・・(^.^)

早速押し入れの中から2人の娘がオネショした経歴が有る染みが付いたマットレスを2枚引っ張り出すとほど良い大きさ。

染みの有る表布を引き裂き、中からスポンジを取り出すと・・案外数年前にやらかしたオシッコの匂いはせず、

綺麗なスポンジが出て来ましたぁ・・(^_^)v

そのスポンジもベッド板の形同様にカッターナイフで切りきざみます。 

途中で私の真似をしてスポンジを噛み切って遊ぶケンタロウが得意げに走り回り、

いろいろと邪魔してくれますが、

今日は忙しいので好きなように遊ばせつつビニールレザー、スボンジ、ベッド板の順に

サンドイッチしてたらもうお昼ごはん。ここまでに半日かかりました・・。

お昼が済んだらまた作業。

いよいよ初めての経験ですが、マットのレザー貼り作業となります。 しかしこれは意外と簡単で、レザーをピンと張りつつ

片方を短い木ネジで留めてゆき、なるべくシワが出ないように張りを保つようにもう片方を引っ張りつつネジを打って作業を進めます。


レザーが張れたら余分な部分をカッターナイフでカットして完成。

同様にもう一枚も作ってマット2枚が出来ました。

次はこの2枚のマットをフレームに固定します。

丈夫なステンレス製の兆番を6枚買って来て使うことにしました。 1枚200円なり。

兆番を太めの木ねじでフレームに固定してから、マット側は8ミリの木ネジで締め、これでフレームとマットが連結されました。




右側のフレームはヒーターユニットに接しているのでマットはフレームと面一で取り付けなくてはならず、

ベッド使用時は兆番のみでマット板を支える事になるので

強度が必要で兆番は4枚使いました。一方左側は寸法的に余裕が有り、フレームの上にマットが乗るので

兆番は前後に1枚づつで十分です。

ビニールレザーをピンッと張ったマツトは適度な硬さに仕上がり、

ゲンコツで目一杯グイッと押してようやく板に当たる硬さでほど良い沈み加減になりました。

次に荷物を置いてみましたが、フル装備したクーラーを置いても殆ど沈まず、荷物置き棚として使っても荷物があまりぐらぐらしない硬さで

娘の使っていたマットレスのスポンジを使って正解でしたっ。ビニールレザーの表面には細かな凹凸加工がしてあり、

簡単には荷物が滑らないのも良さげです。

マットが固定出来たら今度はマットの足を取り付けます。

最初は角材を使って脚にしようと思いましたが、場所を取りますし、左右に跳ね上げた時に内側に突き出てとても邪魔になるので

折り畳める足をまたホームセンターに探しに行ったらまた良い物が有りました・・最近のホームセンターは何でも揃いますなっ(^_^)v

これは金属製で机用の折り畳み足で、こいつの足をパイプカッターで40センチにカットして・・・

マットには木ネジ6本で固定しました。これは上部にパイプ固定用クリップと斜めに太い金属棒が付いていて

クリップをロックして立っている時は三方に力が分散されるのでガタは全く出ず、強度は十分。1本900円で2本購入しました。

次に右側のマットの下に補強板と4センチ角の角材を木ネジで固定し、補強します。 当初この補強はしなかったのですが、

さすがに体重80キロの私がベッドのの中央部に座ると少したわみが出たので下部荷室を少し圧迫しますが、この補強は必要で

その後体重?キロの大柄の娘と共に左右のマットの上中央部に乗りましたがたわみは出ずシッカリと補強出来ました。(~o~)

その補強板に先ほどの金属製足を固定したのが下写真。いよいよ完成に近づきましたぁ・・!(^^)!

足はマットの前後の端に取り付けましたが、内側に向けて折り畳める方向に取り付け、

これでマットを左右に跳ね上げた時にも邪魔にならない方向に折り畳めるようになりました。

跳ね上げた時にマット板が倒れて来ないようにする固定方法ですが、

これは窓ガラスに強力吸盤を貼り付けてそれからベルトで引っ張って固定する事にしました。

私はなるべく内張りにキズ付けたく無いので今回もベッド作りでは車体に全く穴を空けたりしないように設計しましたが、

この超強力吸盤はとても吸着力が強くてお勧めデス。これは1個300円也。

マットにベルトをネジ留めし、吸盤のフックに引っ掛けたら跳ね上げ完了。ベッド使用状態から折り畳みまで足の収納も含めて

10秒もかかりません。

ベッドはその構造上、先ず左側マットを跳ね上げてから右側マットを収納する設計で、

折り畳んだ状態では丁度窓の凹んだ部分にピッタリと収まり、タイヤハウスの上のデッドスペースを生かして

荷室を殆ど圧迫しなくて済みました。


右側だけで使うとシングルベッド兼ベンチとしても使えます。単独釣行ではこの状態で使うとベッド下の荷物も出し入れしやすく、

使い勝手がよさそうです。

左側ベッドの右側が右側ベッドの少し突き出た補強板の上に乗る構造です。

左側ベッドの下にも折り畳み足を付けても良いのですが、

今回はベッド下の足を少なくして下部荷室のスペースをなるべく確保、材料費の削減にもなりました。

これで全長178センチ、両側合わせて130センチ幅のセミダブルベッドの完成デス。

ベッドは2列目シートをフルフラット状態にした状態でシートバックの高さと同じになるよう、

床下の高さを40センチ、マットの厚みを4センチで設計しましたので


2列目シートを倒すと・・・全長240センチの寝室兼荷室が出来ました。バックドアからフロントシートの後ろまでは3メートル有り、

これでかなりの長物も縦に積載出来ます。

マットの上ではキススペも横に積載出来、折り畳みベッドと言えど結構広い就寝スペースを確保出来ました。

ベッドを設置した状態では2列目シートのリクライニング角度はこの程度ですが、かなりリラックスして座れる角度となるよう

寸法を設定しました。これ以上はマットが当たるのでリクライニングしませんが、ベッド収納時はシートが完全に倒せます。


ベッド下の荷室は暗いので照明も設置。 ホームセンターで車用

12ボルト電源のネオン管照明ランプがセールで安く、2本で1200円也。

これを左右のフレーム下部の邪魔にならない場所に取り付けました。

丁度タイヤハウスの上のデッドスペースに取り付け、

夜間に荷物をゴソゴソと探す時にも明るい状態で作業が出来るようにしました。

照明のスイッチは荷室左後端のフレームに固定してここから操作。下のテーブルタップはインバーターからのAC100ボルト電源用で

これから荷室上部に蛍光灯を設置する予定で仮取り付けしました。


今積んでいる荷室下の収納物デス。調味料や食器がタップリ入った大きなRVボックスも縦にスッポリと納まり

未だ高さには余裕があります。これで今までのグランビアに積んでいた荷物全部を積み替えましたが、これだけ積んでもその後部に

クーラーが7〜8個は余裕で積載出来ます。

最後に床にはメタル調のアルミ加工がしてあるウレタンマットを床の形に合わせてカットして敷きました。

これでイシゴカイや石粉が散乱してもさっと一拭きで綺麗になりますし何よりも掃除が楽なのが助かりそうで、

「今度の車はゴキちゃん住まないでね・・。」と祈っております。


皆が砂だらけのクーラーを置くと思われる?荷室最後部には前車から外した床マットを敷いて汚れたら外で叩いて払い落とし・・と

いろんな場面を想定しつつ作業をし、後部荷室は釣行時に便利に使えるようになって来ました。

実はケンタロウが飛び乗って来てドロだらけの足で走り回って汚れたので今後汚されないようにマットを敷いたのが真相ですが、

ケンタロウのイタズラでも一寸した考えが生まれる事があるものですな・・。

って事で念願のベッド付き投げ釣り専用車が出来ました。

寝る時はマットの上に敷くタオルケットなどを持ち込むとグッスリと寝られそうで

今年からは車中泊での釣行でも快適に過ごせそうです。

次はサブバッテリーシステムを積んで

エンジンを停止しても存分にDVDを楽しめるようにしたいと思いますし、

暗い室内照明も昼間のように明るくして荷室の作業性を良くすべく大きな蛍光灯も付けたいし・・・と夢はどんどん膨らみます。

それはまた後日書きます。ではっまたっ。


  

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